ドライプロセス
手作業で、ジーンズの太ももの付け根あたりに出る履きジワを作るひげ加工や、シェービング加工・ブラスト加工などを行い、新品ジーンズにユーズド感を出すための色落ち加工をしていきます。
近年はサステナブルの観点から、レーザーによる加工もあります。これにより、従来、工場従業員の重労働になっていたやすりで削る工程が減り、この工程で必要としていた水の量が削減されるようになりました。
・レーザー効果促進剤
(従来、ドライプロセスで作ったデニムの顔は、この後の洗いを経ることでどんどん薄く、ぼやけていくのですが、それを防止することができます。
→余計な加工薬剤(PPスプレー、オーバーダイなど)を減らすことにもつながります。)
“染色加工”
一般的にデニムはインディゴ染料が使われますが、これ以外にも黒、カーキ、レッドなどさまざまな色に仕上げることも可能です。特殊な染料により糸の表面のみ染め、中心は白く染め残す中白染色により、色落ちしやすく中古感が表現できます。
※→「蛍光増白剤・反応染料」
ワンウォッシュ/糊抜き
軽く水洗あるいは湯洗いをする加工です。
また糊抜きをすることで、履きやすさと風合いを出します。
・糊抜き剤
(従来、ドライプロセスで作ったデニムの顔は、この後の洗いを経ることでどんどん薄く、ぼやけていくのですが、それを防止することができます。
バイオ加工
特殊な酵素を使い、布地表面を微生物に食べさせる加工法です。毛羽がとれ、生地が柔らかくなり、中古感を表現したりすることができます。
また天然の軽石や人工研磨剤との併用によりアタリをつけて、ユーズド感を出します。
こちらもサステナブルの観点から、工場従業員の重労働であった軽石処理の工程を削減するため、軽石なしでアタリをつける加工が試みられています。
・酵素剤
特に最近では、軽石を併用せずともしっかりとしたアタリをつけられるものが主力商品です。軽石をなくすことで、投入/除去の手間が省ける(今まで人の手でじゃらじゃらやってましたので、ポッケに石が残るトラブルなんかもありました)使っているうちに粉々になり、汚泥として大量のゴミになるので、それを防げるなど、メリット多数です。
“バイオ加工”
特殊な酵素に布地表面を食べさせて、生地を柔らかくしたり毛羽を取ったりする加工法です。
中古感を表現するために併用していた軽石の処理が工場従業員の重労働になるため、軽石を使用しない加工に注目が集まっています。
ブリーチ
ブリーチ剤にて脱色加工し、中和します。
・ブリーチ剤 / 中和剤
(中和しっかりしないと肌荒れになります)
“ブリーチ加工”
ブリーチ剤を使用した脱色加工です。大きく酸化剤/還元剤の2種類があり、酸化剤を使うと綺麗な青、還元剤を使うとグレイッシュな色落ちになります。
従業員の健康を第一に考えたP.P.代替品や水不使用のドライブリーチ、さらにCO2削減が可能なオゾンブリーチなどサスティナブルに向けた加工法は日々進化しています。
PPスプレー
PP(過マンガン酸カリウム)を使用し、部分的に強脱色します。PPは毒性が強く従業員に健康被害が及ぶ可能性が高いため日本では使われません。ですが一部海外ではいまも使用されており、問題視されています。
Soaping / Neutralizing
各工程のなかで、黄ばみや裏地への色写りなどが起こり、デニム本来の色を損ねることがあります。ソーピングにより、これらの問題を防ぐことができます。
※→「汚染防止剤・汚染除去・ソーピング剤」
オーバーダイ
元の色の上からさらに染める染色技法のひとつです。これにより、通常では出しにくい微妙な色合いや古着の色落ち感が表現できます。
・染色補助剤
“乾/湿摩擦堅牢度向上加工”
脱落感を楽しむデニムは、染料の特性から着用中の摩擦による色落ちがしばしば起こります。乾いた状態での摩擦による色落ち、湿った状態での摩擦による色落ちをそれぞれ抑制する加工です。
※→「堅牢度向上剤」
堅牢度向上処理
生地が乾いた状態/湿った状態での色落ちや、日光・排気ガスによる退色、引裂きによる破れや縫い目の裂けなどを防ぐ処理をします。
摩擦堅牢度向上剤 / 耐光堅牢度向上剤
耐光堅牢度向上加工
日光による色褪せを抑制する加工です。淡い色や鮮明な色ほど変色しやすい傾向があるため、ブリーチ加工を施した製品では特に注意が必要です。
※→「堅牢度向上剤」